【放送大学 講義雑感】初歩からの物理 ’16

「初歩からの~」とついている科目は章を重ねるごとに難しくなる・・・! という放送大学あるあるを見事に体現した科目であった。講義内容は高校物理で習うような内容を大学生向けにアレンジしたものに加え、大学物理で初めて出てくる概念(エントロピーや特殊相対性理論や素粒子)などである。

詳しくは印刷教材を見てほしい、と言いたいが各章のタイトルを紹介すると、

■1章:自然現象を物理的にとらえよ
■2章:力は運動を引き起こす
■3章:運動方程式を読み解く
■4章:運動方程式からの展開
■5章:エネルギーの捉え方
■6章:温度と熱
■7章:エントロピーとは何か
■8章:振動と波動
■9章:波としての光
■10章:電気って何だろう
■11章:電気と磁気の切っても切れない関係
■12章:電気磁気は電子の世界を読み解く鍵
■13章:電磁波とアインシュタイン
■14章:量子の世界とはどんなものか
■15章:私たちはどこまで宇宙を理解できるか

のような構成である。

さて、物理学というと複雑で意味不明な「数式」が特徴的だが、この「初歩からの物理」では高校数学のレベルを超える数学は扱っていないように思えた(2017年現在の高校数学はよくわからないが、自分が高校生だったころと比較して)

上記の構成の前半は、いわゆる古典力学とよばれる分野だ。ガリレオやニュートンが明らかにした原理原則を学び、運動方程式とエネルギーの扱い方を学習することができる。6章からは熱力学の話だ。そして7章では高校では習わない「エントロピー」が登場。初歩からの物理で習うエントロピーは「熱力学的」なエントロピーだ。(dS = dQ/Tのエントロピー)ここらへんからだんだん難しくなっていく・・・

8章と9章は波動の話。この2章は高校レベルを超えた解説はなかった。そして10章からは電磁気学だ。特に磁気は高校で物理を勉強していたころから苦手な分野で、印刷教材を今見てみてもあまりよくわかっていないなぁと思う。13章はいよいよアインシュタインの特殊相対性理論の話。ミンコフスキーダイアグラムの理解にかなりの時間を取られてしまった。そして14章と15章は量子の話。ミクロな世界を探求することになる。

このように物理学全般の話題について、浅く広く学ぶというのがこの「初歩からの物理」という科目のようだ。というわけで、「数学的に難しい操作」や「抽象的でわかりにくい概念」については深く取り扱っていない。それでは簡単なのか?と言われたら、いやいやこれはこれで難しいのである、と答えざるを得ない。現象の詳しい部分をつっこんで学ぶのではなく、物理学で取り扱うテーマを広く学ぶことで、どの分野でも共通して必要な「物理学的考え方」を身に着けることができるようになる。その物理学的な考え方は一朝一夕では身につかないものだ。その難しさが物理学の本質的なところなのであろう。

肝心の試験だが、印刷教材や放送教材の難易度と比べると、かなり簡単な問題が出題されていた。「正しいものを選べ」か「間違っているものを選べ」という択一式の出題形式である。 H28年前期に公開された過去問をほとんど同じような問題が出題されている。しかし、選択肢の文章が巧妙に変更されていて、過去問丸暗記だけでは足元をすくわれることになると思う。@を取ろうと思ったらそれなりに準備が必要だろう。持ち込みは不可である。

試験概要
試験結果
持ち込み 持ち込み不可
難易度 B+

最後に「初歩からの物理」の学習で印刷教材以外に私が使用した参考書を紹介する。

みるみる理解できる 相対性理論 増補第3版 (ニュートン別冊)
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別冊Newtonの相対性理論の本。Newtonはイラスト満載で概念を押さえるにはちょうどいい。

相対性理論 (物理入門コース (9))
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特殊相対性理論の解説が詳しい。

なっとくする相対性理論 (なっとくシリーズ)
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読み物としておもしろい。が、扱っている数学は難しい・・・

素粒子のすべて (ニュートン別冊)
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これも別冊Newton。テーマは素粒子。自然界の4つの力についても詳しく解説してある。


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講義雑感 | Posted on 2017/02/15 18:40

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