中小企業診断士

中小企業診断士の「経営情報システム」科目免除のために、応用情報技術者の合格を目指すのはあり?

中小企業診断士の「経営情報システム」がチンプンカンプン。内容が難しくて対策ができない・・・
「応用情報技術者」っていう資格を取れば免除できるみたいだけど、どうしようかな?

こんな悩みを解決します。

中小企業診断士の1次試験科目の中でも、得意と不得意が分かれるのが「経営情報システム」です。ITに詳しくない人にとって、これほど苦痛な科目はないでしょう。

しかし国家資格「応用情報技術者」試験に合格していれば、1次試験の「経営情報システム」は免除できます。

「経営情報システム」科目の免除のために、「応用情報技術者」の資格に合格することは、はたして合理的なのでしょうか? 実際に応用情報技術者試験に合格した経験をもとに解説します。

中小企業診断士の科目免除制度

中小企業診断士の1次試験は全部で7科目ありますが、一部の科目については特定の条件をもとに科目免除制度が設けられています

中小企業診断士協会が公開している資料「中小企業診断士第1次試験他資格等保有による科目免除」では、以下の1次試験科目について科目免除制度が利用できます。

免除できる科目 免除できる条件
経済学・経済政策
  • 大学等の経済学の教授、准教授・旧助教授(通算3年以上)経済学博士
  • 公認会計士試験または旧公認会計士試験第2次試験において経済学を受験して合格した者
  • 不動産鑑定士、不動産鑑定士試験合格者、不動産鑑定士補、旧不動産鑑定士試験第2次試験合格者
財務会計
  • 公認会計士、公認会計士試験合格者、会計士補、会計士補となる有資格者
  • 税理士、税理士法第3条第1項第1号に規定する者(税理士試験合格者)、税理士法第3条第1項第2号に規定する者(税理士試験免除者)、税理士法第3条第1項第3号に規定する者(弁護士または弁護士となる資格を有する者)
経営法務
  • 弁護士、司法試験合格者、旧司法試験第2次試験合格者
経営情報システム
  • 技術士(情報工学部門登録者に限る)、情報工学部門に係る技術士となる資格を有する者
  • 次の区分の情報処理技術者試験合格者(ITストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報技術者、システムアナリスト、アプリケーションエンジニア、システム監査、プロジェクトマネージャ、ソフトウェア開発、第1種、情報処理システム監査、特種)

このように科目免除の条件はどの科目も難易度の高い条件が設定されています。

しかしその中でも「経営情報システム」に関しては、情報処理技術者試験の試験区分の中で対象となる試験に合格することで免除可能です。これは「公認会計士の有資格者」や「大学等の経済学の教授」などと比べると、比較的難易度は低いと言えるでしょう。

つまり中小企業診断士試験の1次試験でゼロから科目免除を目指すとなると、真っ先に検討されるのが「経営情報システム」なのです。

「経営情報システム」を免除できる他資格

「経営情報システム」を免除できる条件「次の区分の情報処理技術者試験合格者」の中で最も難易度が低い資格が「応用情報技術者」です。「経営情報システム」の免除のために対策をする場合、まずは「応用情報技術者」の合格を検討することになります。

応用情報技術者試験とは?

応用情報技術者試験とは情報処理推進機構が実施している国家資格です。対象者像として「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」が設定されています。

試験の概要を表でまとめました。

試験の実施日 4月中旬と10月中旬の年2回
試験内容 午前:150分 マークシート(80問)
午後:150分 記述式(11問から5問選択)
合格ライン 午前:60点以上 午後60点以上
合格率 約20%前後
受験料 5,700円

応用情報技術者試験の試験内容は以下の通りです。

試験範囲(午前) 内容
テクノロジ系(50問) 1 基礎理論
2 アルゴリズムとプログラミング
3 コンピュータ構成要素
4 システム構成要素
5 ソフトウェア
6 ハードウェア
7 ヒューマンインターフェイス
8 マルチメディア
9 データベース
10 ネットワーク
11 セキュリティ
12 システム開発技術
13 ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系(10問) 14 プロジェクトマネジメント
15 サービスマネジメント
16 システム監査
ストラテジ系(20問) 17 システム戦略
18 システム企画
19 経営戦略マネジメント
20 技術戦略マネジメント
21 ビジネスインダストリ
22 企業活動
23 法務
試験範囲(午後) 1 経営戦略に関すること
2 情報戦略に関すること
3 戦略立案・コンサルティングの技法に関すること
4 システムアーキテクチャに関すること
5 IT サービスマネジメントに関すること
6 プロジェクトマネジメントに関すること
7 ネットワークに関すること
8 データベースに関すること
9 組込みシステム開発に関することリ
10 情報システム開発に関すること
11 プログラミングに関すること
12 情報セキュリティに関すること
13 システム監査に関すること

試験範囲からもわかるように、完全にIT系の内容の出題となっています。非IT系の仕事をしている人にとっては、難関資格であることは間違いありません

情報処理推進機構は他にも国家資格を実施しており、例えば「ITパスポート」や「基本情報技術者」は受験者数も多く広く知られている資格です。

「経営情報システム」と「応用情報技術者」はどっちが難しい?

さて「経営情報システム」の科目免除のために「応用情報技術者」の合格を目指すという件ですが、個人的には「応用情報技術者」試験の方が圧倒的に難しいと思います

応用情報技術者試験は午前と午後に分かれており、午前はマークシート形式ですが、午後は記述式で解答する必要があります。また午前に合格しないと、午後の試験は採点すらされません。「午前のみの科目合格」という制度もありません。

あとは単純に試験で問われている知識の深さも、かなり異なります。応用情報技術者試験ではITに関するかなり深い知識まで問われます。

資格の王道」というサイトで応用情報技術者試験の合格に必要な勉強時間は、「基本情報技術者の知識がある人」で200時間程度「最初から始める人」は500時間とされています。

一方、中小企業診断士の1次試験「経営情報システム」の勉強時間は、60点を取るだけなら100時間も勉強する必要はないでしょう。

私自身の話ですが、応用情報技術者試験に合格する実力があれば、経営情報システムの問題は特に対策をしなくても70点は取れます。つまり免除するよりも得点源として利用した方が良いくらいなのです。

一方、ITが苦手な方にとって、応用情報技術者試験に500時間勉強して合格し、経営情報システムの科目免除を目指すのは、あまりにも非効率だと思います。経営情報システムで60点取るだけなら、100時間の勉強時間で足りるからです。

というわけで、ITが得意で応用情報技術者レベルの実力がある人は、経営情報システムを得点源にすれば良いし、ITが苦手な人は、素直に経営情報システム対策をする方が良いというのが私の持論です。

ITパスポートの勉強は効果的?

「応用情報技術者試験は無理でもITパスポートなら良いのでは?」と言う人もいます。情報処理推進機構では、ITパスポート試験を「レベル1」、基本情報技術者試験を「レベル2」、応用情報技術者試験を「レベル3」と分類しています。つまりITパスポートは応用情報技術者よりもレベル2つ分簡単です。

あくまでも経営情報システム対策をメインでやるという前提では、ITパスポートの勉強は有益だと思います。実際にITパスポート試験を受験しなくても、出題される内容は経営情報システムと被る部分も多いです。

「財務会計に対する日商簿記2級」が「経営情報システムに対するITパスポート」と言ったところでしょうか。中小企業診断士の1次試験は範囲が広い分、いろいろな資格とシナジー効果が得られますね。

「経営情報システム」を免除しない方が良い

今回は「応用情報技術者」に合格して「経営情報システム」を免除するかどうかを解説しました。結論から言うと、免除しないことをおすすめします

中小企業診断士の1次試験は全部で7科目あるのですが、特定の年に特定の科目がやたら難しくなる「爆弾」が仕掛けられていることがあります。そのため中小企業診断士の1次試験には「できるだけ7科目全部受験する」という定石があります。これは1次試験で不合格にならないための、リスク分散でもあります。

科目免除をする際には、まずは自分の得意・不得意を見極めて、試験勉強に使える勉強時間などの兼ね合いも考慮して決めることをおすすめします。

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目標必達のために鬼努力を惜しまない個人事業主。記事執筆・ホームページ制作・メディア運営・コンサルティングのお仕事をしています。立命館大学中退。放送大学教養学部の全科履修生。中小企業診断士とFP1級を目指してハードに勉強中。

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