2021年2学期に受講した「金融と社会 ’20」の講義雑感です。
講義概要
1980年代後半のバブル経済から1990年代にかけて、銀行を中心とした日本の金融システムは大混乱に陥った。不良債権問題、銀行倒産、金融危機、そして情報技術の急速な進歩により、金融の仕組みに大変革が求められた。また、それらに対応するため、当局による規制監督にも大幅な見直しが求められた。バブル後の混乱から日本経済が立ち直りかけたとき、2008年にはリーマンショックが起きた。サブプライムローン問題という、新しい金融技術を駆使した仕組みが、金融市場にとどまらず、経済社会全体の危機につながっていったのである。この講義では、重要性を増している金融の仕組みを学び、それが私たちの経済社会に与える影響を幅広い観点から考える。
授業の目標
この科目では、幅広い観点から金融の社会的役割について考え、ダイナミックに変化する現代社会における金融の意義と公共性について考察することを目標とする。大きく分けて三つの目標がある。第一に、金融の仕組みと機能の基礎を学ぶこと、第二に、新しい金融商品や金融取引を知ること、そして第三に、それらを生活者として利用するために、新しい金融の動きを見る目を養い、経済社会に与える影響を理解することである。この講義は、目の前の資産運用が大きな関心となっている高齢者、住宅ローンを抱え老後が心配な現役世代、国債や年金という負担を押しつけられそうな若年世代など、様々な人々にとって有益だろう。
履修上の留意点
「経済社会を考える」「現代経済学」「財政と現代の経済社会」を履修済み、または同時に履修することが望ましい。
講義雑感
試験概要 | |
試験結果 | @ |
持ち込み | 在宅 |
難易度 | A |