最初に書店でこの本を目にしたときの私の感想は
「100円のコーラを1000円で売る方法なんて本当にあるの・・・?」
というものでした。ちょっと気になる題名ですよね。もともとは小説版があったらしいのすが、私は小説版は読まずにコミック版から読み始めました。本はコミックですが、マーケティングという世界からは遠いところにいる私にとって、読み応え抜群の1冊でした。
目次
事業の定義の重要性
本の前半で、「顧客中心主義」の重要性が語られています。
企業は顧客に商品の価値を提供し、顧客が価値への対価を払うことで企業は存続でき、価値を提供し続けられるのです。顧客を中心を考えることは企業の出発点です。
と説明されています。
ちょっと難しいですよね。本書では「テレビ」を取り上げています。テレビを作る会社は自分たちの事業を「テレビを作る事業」と考えています。でも最近ではテレビの視聴時間は短くなりネットやケータイを見る時間が増えてきています。そこで考えるべきことは「ネットやケータイよりも魅力的なテレビとは何か」ということではないかと指摘しています。
実は顧客は、自分の課題を知らない
「本当に顧客が欲しいものは、顧客自身もよくわかっていない」本当にそうかなと思ってしまう1節です。お客さんの言う通りに作れば、いいものができる。私もWeb制作の現場で働いているクリエイターなので、そんな風に思いながら仕事をこなしている日々を送っています。でも本当に欲しいのは、お客様自身もわかっていないというのです。
顧客の言いなりにならず、顧客の課題を徹底的に考え、自社ならではの価値を提供するのは、企業に課せられた責任なのです。
と厳しく指摘しています。
顧客満足の落とし穴
顧客満足は、顧客が感じた価値が、事前期待値を上回った場合に生じます。
成熟した現代社会では、事前期待値を満たしただけでは高い顧客満足は得られません。
こんなことを言われても、じゃあどうしたらいいんだ・・・ってなりますよね。
本書では続けて
価格勝負で勝てるケースは極めて限定される
多機能は価値ではない。顧客の要望をあえて捨てると見えてくるものがある
そこで出てきたのが「バリュープロポジション」という言葉です。バリュープロポジションとは、
顧客が望んでいて自社は提供できるが、競合他社は提供できない部分
と説明しています。自分たちにしか提供できない価値を顧客に提供することが重要なんですね。
チャネル戦略は、あくまで顧客視点で、パートナーとのWin-Win実現を考える
チャネル戦略とは
社内ですべての業務をこなすのではなく、外部のパートナーと協業し、商品を顧客に届けるチャネル全体を最適化する戦略
と説明されています。どんどんマーケティングぽくなってきました。自分たちの都合を相手に押し付けるのではなく、パートナーと自社がWin-Winの関係となり一体となって顧客の課題の解決を目指すべきなのです。
「100円のコーラを1000円で売る方法」
本書も終盤に差し掛かるころで、いよいよ書名にもあった、
「100円のコーラを1000円で売る方法」
について、具体的な事例が紹介されています。
私はここを読んだとき、
「なるほどね~~」
と素直に感心してしまいました。
ここまで読んできた人の中にはもしかしたら、ピンときた方もいらっしゃるのではないでしょうか?ヒントは「プロダクトセリング」と「バリューセリング」です。気になる人は、本を買って読んでみましょう!