「論理エンジン」や予備校の現代文の講師として有名な出口汪さんの本です。
あまり中身を見ずに買ってしまったのですが、文章作成時のテクニック以前の話もふんだんに含まれています。たとえば、適切な接続詞、助詞、助動詞を例文を用いて解説したり、文の構造図を作成するような例題があります。
ただ、後半、特に第七日目ですが、高校現代文の問題みたいな練習問題が続々出てきます。これはちょっと上手な文章を書くのとは違うんじゃないの? と思ってしまったり・・・。 あえてフォローするならば、文章制作力を身に付けるために必要な、論理力を身に付けるトレーニングといったところでしょうか。たしかに良い文章を書こうと思ったらまず、他人の書いた文章を正確に理解し、要約を作成することができた方がいいとは思いますが。
本文中に「本物の文章力が身に付く秘密」として様々なポイントが紹介されています。個人的によかったのが『「思います」「~ような」は使わない』という指摘です。私はよく「思います」って書いてしまうんですよね。この本を読む前から、なんとなく気になっていた点だったのですが、本書でズバリと指摘されていてスッキリしました。
本書は上手な文章を書くための様々なテクニックよりも、日常生活や仕事の場で文章を書く時に、どのように論理を組み立て文章を作り上げていくのか、という一連の流れを知りたい方向けの本です。本書内では「他者意識」という言葉で紹介されていますが、読み手の事を考えて、どうしたら伝わる文章を作成することができるのか、あるいは、普段文章を書いているけど、いまいち相手や上司の反応が鈍い、という方にお勧めの一冊です。どうも作文は苦手だなぁと感じている人にとって、最初に読む1冊としておすすめですよ。