最近自分の仕事について考える機会が多くなりました。一番の気にかかることがこのまま奈良県で仕事をしていていいのかということです。私の業務はIT系なのですが、やはり東京で仕事をしたほうがいいのではないか？ そんなことを考えながら仕事をしてきました。
そんな時出会ったのがこの
「あたらしい働き方」
という本です。
国内のみならず海外の会社数社に対して著者が行ってきた取材の結果を掲載しています。取材対象のどの会社も一般的な会社ではなく他では見られない先進的な取り組みが行われている会社です。
これまで新しい働き方といえば、精々「年功序列ではなく、成果主義で評価します」みたいな話でしたが、本書では普通に会社勤めしてる人にとってはちょっと考えられないような取り組みをしている会社が紹介されています。
詳しい取り組みは本書を参考にしてください。ということで、どの会社も個性的で従業員の事をとても大切な存在だと認めているということが伝わってきました。
本書で紹介されている会社の中で共通している点は、超優秀な人材しか採用しないという方針でした。あたらしい働き方では従業員に対して自由に仕事をしてもいい、仕事の目標も従業員本人に決めてもらう、など個人の裁量権が大きく割り当てられている職場が多いのです。しかし、そこで低い目標を立てたり、自由を逆手にとって仕事の手を抜いたり、そういう人材が入社しないように採用の段階でかなりの人がふるいにかけられる仕組みが成り立っています。
その一方、会社ごとに異なっている点も多数ありました。一例をあげると、ある会社は在宅勤務を推奨していましたが、別の会社は在宅勤務なんてありえないという立ち場でした。従業員が最高の環境で仕事をできるように配慮されているのが、あたらしい働き方ですが、その働き方の作り方が会社によって大きくことなるのです。本社では新しい働き方を構成する要素を「6つのクライテリア」として紹介しています。
■新しい会社選びの基準 6つのクライテリア
1.仕事
2.時間・場所・休日
3.給与・評価
4.会社・経営者
5.環境
6.カルチャー
6つの中にそれぞれ細かい項目があり、その選択項目の選び方によって自分に向いている職場を探しましょうと提言しています。
それではどうしたらあたらしい働き方ができるのか？ あたらしい働き方をするためにはどんなスキルが必要なのか？そのことについても本書では触れています。それは
「あたらしい働き方を手に入れる17の必要なスキル」
として紹介されています
■仕事のスキル
1.自ら考え行動できる
2.コラボレーションできる能力
3.時間効率がハイレベル
4.あたらしいハードワークができる
5.上下ではなく横のパートナーシップ
6.クラウドなどITを最大限活用する能力
7.売れる仕事のスキル
8.考えているだけでなく、行動する力
9.ボーダレスに仕事をする力
■思考のスキル
10.人間性が重要
11.思考の柔軟さ
12.不確実性を楽しめる
13.暗黙知、明文化されていないルールを読める能力
14.お金だけでなく、意義を感じて働く力
15.自分自身をよく理解する能力
16.常に進化し続けられる力
17.自分のスタイルを持っている
以上の17のスキルが必要だと書かれています。
本書ではあたらしい働き方ができれば、従業員は幸せになれる、という立場でした。しかし私は旧来型の年功序列主義でいわゆる普通のサラリーマン的な働き方が合っている人も多くいるのではないかと思いました。それくらい本書で紹介されている「あたらしい働き方」というのが普通とはかけ離れているのです。現状の働き方に満足していない方は、本書で紹介されている「あたらしい働き方」を知り、こんな環境で働きたいなぁと思いたくなる気持ちも私は十分理解できます。でも多くの方は本書で紹介されているような働き方がすぐにできる環境ではないはずです。まずは目の前の仕事に真摯に向き合い、徹底的に自分の能力を高めていく。そして、今いる会社を自分にとって心地いい場所にしていく。一番現実的なのはそういう取り組みではないかと思いました。
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